1試技目+FMC始めてから勉強したことのまとめ

2023年12月6日水曜日

t f B! P L

こんにちは、あむすです。

この記事は FMC Advent Calendar 2023 7日目の記事です。

昨日は鉄Cuberさん、明日は樽川さんです。

主催して下さったうえしゅうさん、ありがとうございます!

今年のSpeedCubing の方のアドカレにFMC初心者用解法である「あむす式簡易DR」についての記事も出していますのでそちらも是非ご覧ください!

早いものでFMCを始めてもうすぐ1年になりますが、大会にも出場し、いつの間にかすっかりFMCerになってしまいました。この1年は相当な時間をFMCに費やしたのではないかと思います。FMCは面白いので、今後も細々と続けて、少しづつ強くなれたらいいなと思います。

さて、今回のアドカレ1試技目は25手というなんとも言えない手数になりました。簡単なoptimal 21手を逃していたので残念です。

1試技目解説後にFMCを始めてから大会に出るまでの10ヶ月をまとめています。

解答

R2 D F L U R2 U2 D2 R' U R B2 L2 U D R2 B2 R2 F2 U' F2 U R2 L2 B' (25moves)

(B) R2 D F // EO (4/4)
L U R2 U2 D2 R' U R // DR (8/12)
(L2 R2 D'* L2 U) // HTR (5/17)
(L2 F2 R2 F2 U2^ L2 B2) // Slice (7/24)
*=E', ^=E // Finish (4-3/25)

思考過程

EO探索

4手が4つ、5手が沢山ありました。
4手EO 
L' D (B2 D) , (B) D R2 F , (B) R2 D F , (D' R2 B U)

DR探索

NISSなしの4手から探していきました。

(D' R2 B U) // EO
①(R' F' U2 R2 B2 L F L2 F') // 13
②U2 D2 R' L U2 L F // 11

既にRZPになっています。上のDRは違うRZPにしたものですが4QTで長いので没。
スイッチすると11手で3QTが見つかり、なかなか良さげです。

L' D ( B2 D) //EO
①F2 R2 L2 F B' L // 10
②D2 R2 L2 U2 B F L // 10
③D2 B' D2 F2 B2 L' D2 B // 11
④D2 B' L2 D2 F2 B2 L' D2 B // 12

こちらも既にRZPになっています。短めのDRが作れますが、どれもコーナーが悪く、微妙です。③のRZP後にスイッチしても特にありませんでした。

⑤(F R2 B U2 B2 L2 F L) //12
⑥(D2 F R2 D2 F' B R) //10

同じEOのインバース側にスイッチするとやはり短めのDRが作れましたが、コーナーが微妙です。次に(B)のつく2つを探します。


(B) D R2 F //EO
①U L' F2 L2 U' D L // 11
②F2 L' D' U2 B2 R' D2 R' D // 12 

①は4QTですが適当に揃えると5eスケルトンになりました。まあ既にこれより良さげなDRがあったので没です。②は12手で少し長いですがコーナーを解くと2QTでした。しかし最初と最後にHTが必要な2QTで、経験上おそらく実質4QTなので微妙です(未検証)。


(B) R2 D F // EO
①L U R2 U2 D2 R' U R // 12
②L' U R2 D U2 R' U R // 12
③L (B2 R2 D F2 D' U' L D' L' ) // 14

EO後、Lの1手で2e3cのRZPになります。2e3cは他のRZPに比べて1手分価値が高いとされているので、これはラッキーです。①は12手ですが2QTで一番コーナーが良いです。②も12手ですが3QTなので①の方が良いです。①を見つけた時点で残り30分を切っていたと思うのですが、少し欲張って②や③を探したりした結果残りが22分くらいになってしまったので急ぎめに①のFinishを探します。

Finish探索


(B) R2 D F // EO (4/4)
L U R2 U2 D2 R' U R // DR (8/12)

L2 U2 L2 U' L2 D // HTR (6/18)
L2 B2 R2 U2 B2 R2 B2 U2 // Slice (9/26)

HTR-6e4cなのでスライスすれば2e4cです。素直にHTRを作ると26手Sliceができました。保険としておきます。


(L2 R2 D' L2 U) // HTR (5/17)
L2 F2 R2 F2 U2 L2 B2 // Slice (7/24)

スイッチしても同じように短めのHTRが作れました。HTR後はL2 U2 L2 で2eになるので続けて2e2e手順をやるような感じで見つけました。これが最終的に採用になりました。

この後ももう少し短いFinishのHTRがないか試したのですが特に見つからず、時間が無くなってきたのでスライスを入れて25手で終了になりました。

DR後のOptimalは以下の21手でした。トリガーへの持っていき方が同手数で2通りあるんですね。これは覚えておきたいです。ShotaさんやRkidさんが見つけていました。HTRをもっと練習した方が良さそうです。

(B2 R2 F2 D F2 U') // HTR (5/17)
(F2 D2 L2 B2) // Finish (4/21)

大会優勝するまでを振り返る

FMCを始めてから大会に出るまでの10ヶ月間で勉強したこと、できるようになったことを時系列でまとめます。参考になる部分があれば幸いです。

FMCとの出会い(今年1月中旬)

もともと高校数学みたいに1つの問題を試行錯誤して答えを見つけるみたいなことが好きだったので、FMCは自分に向いてそうだなと思って勉強しはじめました。WRCCさんのサイトでブロックビルディング、NISS、コミュテータ、インサートを勉強しました。

1番最初にコミュテータなしでやってみたら確か50手くらいで、コミュテータを使い始めると40手台になり、ELLもサイトで紹介されているものは全てiPadにまとめ直して暗記して、1週間くらいで平均40手を切れるようになりました。

DRとの出会い(2週間後)

FMCを始めて数日後からトリボのアカウントを作ってトリコンに出始めました。1回目が37手になってますがこれは相当上振れだった記憶があります。20手台とか無理だろと思いながら上位者たちの解答を見てみると、EO, DRという訳の分からない言葉が並んでおり、「え、もしかして違う解法があってそっちの方が強いの?」と思い、Ramiさんの「Domino Reduction入門編」でDRが何かについて学びました。その後kzyさんの記事にも辿り着き、「DRを使おう」も読みました。理解はしましたが、最初は時間内にできる気がしませんでした。

コーナーケース、エッジ手順の習得(2月)

その後なんとかDRを作れるようになったものの、DR後を適当に揃えると必ずコーナーが解けずに残ってしまうので、kzyさんの記事に貼ってあったコーナーケースを習得しました。kzyさんは5手までは覚えようと書いていましたが、自分は7手まで覚えました。手順を覚えるというよりは、最初の1手をどうセットアップして回すかだけ覚えれば、次はその下位のコーナーケースになるのでPLL等よりずっと楽でした。加えてうえしゅうさんのエッジ手順を覚えると、とりあえずDRを使ってキューブが揃えられるようになりました。DNFが多すぎるし、30手も切れたり切れなかったりでしたが、明らかにBBの時よりも手数が縮んでいたので嬉しかったです。

HTRの壁(3月)

HTRは180度回転だけで揃えられる状態で、2軸DRだという知識はあったのですが、なかなかHTRが作れず、やっと作れたと思ってもfake HTRになってしまい、より多くの情報を求めてTwitterを開設しました。上位者と繋がることができ、特にうえしゅうさんには初期から色々と教えて頂いたので、とても感謝しています。ただHTRについては全く情報がなく、英語のyoutubeを見漁り、QTという概念を理解しました。2QTからトリガーをしてfakeになるかどうかが何で決まるかはどこにも解説を見つけられなかったのですが、もしかしてU2の偶奇かと気づき(追記訂正: Rkidさんに単なるU2の偶奇ではなく、"bad cornerがU(or D)面に3つあるときのU2"の偶奇と教えて頂きました)、遂にHTRを安定して作れるようになりました。この辺のことは今はkusanoさんの記事が参考になります。DRの基本からまとまっており、これからのFMCerの教科書的存在になるのではないでしょうか。

sub26まで(4~8月)

そこからは特に知識が増えたりすることはなく、ひたすら練習の日々でした。自分の最大の課題はDRを探す部分が遅いことだと分かっていたので、あと数手でDRになるパターンをなんとなく把握してひたすら数をこなしました。ただやはりsub25の壁が高く、8月末に上振れでぎりぎりao12 sub26できました。

落ち込みからの急成長(9~10月)

そこからまた実力が停滞し、27,8手を量産していた時に、転機となる事態が起こりました。トリコン2023後半期第12節で、3人が16手で同率1 位、対する自分は31手で1ポイントも入りませんでした。これは本当に落ち込みました。敗因は3手EO後にスイッチをしていないことでした。これ以降EO後にスイッチをしっかりするようになりました(未だに時間が無くてできない時もある)。Xでkzy君がRZP後は全てスイッチしていると教えてくれたので、RZP後もなるべくスイッチするようにしました。さらに、HTRの個数を増やすためにRodney Kinneyさんの動画を見て、2層回しやコーナースワップでHTRのバリエーションを増やせるようにもなりました。するとそれらが功を奏したのか、急に短い手数が出るようになり、一気にao12 sub24できるくらいに成長しました。また、大会開催が決まり、練習量もそれまでは週3くらいでしたが、なるべく毎日FMCをやるようにしました。その結果、大会直前にはao50はいつの間にか24.4まで縮んでいました。

初大会優勝, First Average WR(11月)

緊張の初大会でしたが、運よく優勝できました。今後は、RZPを回さずに素早く探すことや、Hyper Parity とHTR subset、HTR theoryによる効率的なHTR作りを練習していく予定です。RZPを使わないDRもいつかできたらいいなと思っていますが多分当面は無理です。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

Scramble R' U' F D B' U' L U B' R U' L2 F2 U2 R2 D' R2 L2 U' L2 B2 F D R' U' F

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